先週、NHKTVドラマで「坂の上の雲」を見ました。地味な場面でしたが、ずいぶん技術的にも力を入れた構成でした。可なり経費を使ったでしょう。私の家は祖父・父・私と三代続いた陸軍の砲兵隊の将校ですから、砲撃戦の場面は気になります。今まで他の番組では、砲撃の場面は手を抜いたものばかり見せられました。たとえば砲弾の発射を表す砲煙が砲口から出ると、砲身(古い大砲なら砲車)が後退するのですが、ドラマでは後退することまでは表現しません。手抜きです。今回は砲車や砲身の後退まで表現してましたので感心しました。
まづ乃木将軍の第三軍の旅順要塞攻撃の場面に登場する二十八サンチ榴弾砲(二十八榴)の砲撃場面です。
今回のドラマで砲弾の発射による砲身の後退場面や砲弾の飛行に伴う「ゴーッ」という飛行音は実物ソックリ、感心しました。日本海軍とバルチック艦隊の砲撃戦もよくできてました。ずいぶん力の入ったドラマでした。砲撃という一瞬の場面も手を抜かず、丁寧に作ってあり、感心しました。
二十八サンチ榴弾砲の現物を見た人は陸軍砲兵の将校でも極めて少ない。この大砲を戦前に配備してあったのは、海岸要塞ですから、函館・横須賀・深山・下関・釜山あたりの海岸要塞とこれらの守備にあたる要塞重砲兵連隊だけです。但しこんな大砲では、海上を高速で移動する敵艦に命中させるのは難しいでしょう。
二十八サンチ榴弾砲は日露戦争に活躍した大砲ですから、昭和時代も塗装は黒一色、一般の大砲のようなカーキ色ではありません。
近代的な火砲としては戦前ソ連との国境の日本軍陣地に四十サンチ榴弾砲(フランス製?)があると聞いたことがあります。其の他、三十サンチ榴弾砲・二十四サンチ榴弾砲(二十四榴)・十五サンチカノン砲(十五加)・十五サンチ榴弾砲(十五榴)以下色々ありました。キャタピラのついた牽引車で牽引するタイヤ付車輪の野砲・十榴・十加は機動力のある火砲でした。
日英米三国は海軍力の拡張競争をした時代があり、この三国と仏・伊でワシントン海軍軍縮条約(1921.1.21.~1922.2.6.)がむすばれ、米英の海軍力5にたいし日本は3、仏・伊はそれぞれ1.75の比率に調整することになりました。日本は条約を超える戦艦をしずめることになり、その砲塔を下関と釜山要塞に据え付け、この両者の砲塔から発射する砲弾で朝鮮海峡を完全にカバー出来たと聞きました。
のちロンドン海軍軍縮条約がひらかれ、日本は米から6..975割の比率をひきだしたが、曲折の末1936年1月15日、日本は軍縮条約から脱退。
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